お湯沸かし対決!電気ケトル VS ジェットボイル風鍋(ヒートエクスチェンジャークッカー)
はじめに
電気ケトルとジェットボイル風鍋(ヒートエクスチェンジャークッカー)で、どちらがお湯を早く沸かせるのか実験してみました。 条件は同じ。水を600mlきっちり量り、常温から100℃に達するまでをストップウォッチで計測します。
昨年購入した電気ケトルは、想像以上に効率的で、ビジネスホテルに置いてあるような電熱ケトルとは比べ物にならない速さに驚かされました。
一方、ジェットボイル風鍋もアウトドア用らしく非常に速く、火をつけてからあっという間に沸騰します。果たして、両者の勝負はどうなるのでしょうか。
実験結果
結果は以下のとおりです。
- 電気ケトル:3分54秒
- ジェットボイル風鍋:3分59秒
わずか5秒差で、鍋の方が少し遅れる形となりました。とはいえ、この程度の差は誤差範囲であり、実用上は「ほぼ同じ」と言って差し支えないでしょう。


そうなると気になるのはコストです。この場合、電気代とガス代のいったいどちらが安いでしょうか?東京ガスの料金単価をもとに、シミュレーションしてみました。
光熱費シミュレーション
前提条件:
- 水600ml(常温→100℃)
- 所要時間4分
- 東京ガスの料金表を参照(基本料金は除外)
都市ガスの単価は 130.46円/m³、発熱量は 約12.5kWh/m³(13A換算) とします。
電気ケトル(1200W・4分)
使用電力量 = 1.2 kW × (4/60) h = 0.08 kWh
- 第1段階(〜120kWh):0.08×29.70 = 約2.38円/回
- 第2段階(120〜300kWh):0.08×35.69 = 約2.86円/回
- 第3段階(300kWh超):0.08×39.50 = 約3.16円/回
都市ガス(ジェットボイル風鍋)
水の必要熱量 ≒ 0.0558 kWh(0.6×4.186×80/3600)
鍋の熱効率をηとすると、必要ガス熱量 = 0.0558/η [kWh]
必要ガス体積 = (0.0558/η)/12.5 [m³]
費用 = 130.46 × (0.0558/η/12.5) [円]
- η=50%:約1.17円/回
- η=60%:約0.97円/回
- η=70%:約0.83円/回
- η=80%:約0.73円/回
結論
- 都市ガス:0.7〜1.2円/回
- 電気:2.4〜3.2円/回
都市ガスの方が、概ね2倍ほど安いという結果になりました。
日々の光熱費を見ても、電気代が割高に感じるのはこの計算通りといえそうです。
ただし注意点があります。都市部での都市ガス利用なら安価ですが、地方でプロパンガスを使っている場合は状況が逆転する可能性があります。プロパンは地域や契約によって単価が高く、電気より割高になるケースも少なくありません。
ガスの特徴
メリット
- お風呂や給湯で大活躍
- 停電時でも使えるため災害に強い
今後の課題
- ガス管の老朽化と維持管理コスト
- 技術者不足による保守の懸念
- 火災や爆発などリスク要因
- 輸入依存による価格変動
電気の特徴
メリット
- 送電効率が高く、都市部で安定供給
- ガス管や水道管のような老朽化リスクが小さい
- 災害時の復旧が比較的早い
デメリット
- エアコンなどと重なると電気代が高額になりやすい
- 停電のリスクが常にある
ジェットボイル風鍋の魅力
メリット
- キャンプや旅行で持ち運べる
- 普段の料理にも使える
- 短時間で効率よく沸騰
注意点
温度センサーが作動して火力が抑えられてしまうため、工夫が必要です。私はアルミ缶を切って筒状にし、木ネジで貫通させたパーツをセンサーに被せることで、センサーの押し込み対応を施しました。これにより不要な火力制御がかからず、快適に使用できます。
また、本物?のジェットボイルだと数万円しますが、ヒートエクスチェンジャーであれば数千円で購入できるので試しやすいのも魅力です。
電気ケトルの魅力
メリット
- 温度設定や保温機能が便利
- デザイン性が高くスタイリッシュ
- 火を使わないため安全
デメリット
- 基本的にお湯を沸かす専用で汎用性は低い
- 誤ってガスコンロにかけると故障のリスク